頭痛・めまい・睡眠障害
「頭痛」や「めまい」は脳の器質性病変が原因となるものだけではなく、仕事のストレスや生活習慣からくる場合もあるので、これには患者さんから日常生活について詳しく問診して、個々にあった適切な指導が必要となります。
"AI"には決して真似のできない診療を実践いたします。
さらに神経学的検査により、脳疾患の鑑別が必要と判断した場合はMRIを提携施設(徒歩圏内)で撮影し、その画像所見は院長が責任をもって読影し、診断と患者さんが納得のいく、わかりやすい説明をいたします。
また「睡眠障害」をはじめ、高血圧、糖尿病、高脂血症などの「生活習慣病」は脳梗塞、脳出血などの脳卒中の原因となります。
これら生活習慣病を早期に診断して治療することは脳卒中の予防につながるため、当院では内科疾患である生活習慣病に対しても積極的な治療を行います。
頭痛
「頭痛」は片頭痛や筋収縮性頭痛、群発性頭痛などの一次性頭痛と脳血管障害、外傷、精神疾患が原因となる二次性頭痛に分けられます。
片頭痛は日本人の約8%に認められ、筋収縮性頭痛についで多い疾患で20~40歳の若い女性に多いとされています。
頭痛は脳の器質性疾患(脳腫瘍や脳血管障害)が原因の場合、特にクモ膜下出血は診断を誤ると生命に危険性がおよぶので非常に注意が必要です。
頭痛の患者さんに脳腫瘍が認められた例も。自己判断に頼らず専門医に相談を。
当クリニックで頭痛の症状で治療を行った患者さんの中には、MRI撮影の結果、脳腫瘍が認められた例もあります。
頭痛に関しては、診察による神経学的検査に異常所見がない場合でもMRIを撮影して、頭蓋内病変の有無をチェックしておいた方がよいと思います。
頭がズキズキするような痛みではなく、頭重感のような違和感がある方も大したことはないと自己判断をなさらずに一度、ご来院ください。
めまい
「めまい」は前庭器官の障害による自分の周囲が回転している錯覚による回転性めまいと「ふらつきあるいはめまい感」と表現される明確に定義できない浮遊感による非回転性めまいに大きく分けられます。
回転性めまいは時に嘔気、嘔吐、平衡感覚障害、眼振を伴います。非回転性めまいは神経精神科領域の疾患やてんかんでも認めることがあります。
回転性めまいには耳鼻科的疾患の迷路炎、メニエール病、突発性難聴に伴うめまい、良性発作性頭位めまいがありますが、それ以外に脳血管障害や脳腫瘍によるめまいがあり、「頭痛」と同様に注意する必要があります。
当院では重心動揺検査により、めまいの鑑別診断を行なっています。
めまいは放置せずにきちんと診断を
めまいは、内耳に耳石という炭酸カルシウムの塊が原因で生じる「良性発作性頭位めまい」が主ですが、小脳に流れる椎骨脳底動脈系の血管狭窄や閉塞、あるいは小脳の脳腫瘍などが原因となることがあります。
椎骨脳底動脈系の異常が原因の場合、小脳への脳血流が完全に遮断されると小脳梗塞となり、それにより急速に小脳が腫れると元来、小脳は狭い器に囲まれているので脳内の圧力が急激に上がり、命にかかわる病態を招く危険性があります。
また小脳腫瘍の場合は比較的、徐々に増大する良性腫瘍や急速に増大する悪性腫瘍(脳の原発性癌や他臓器癌からの転移)があり、めまいで発症することも多いのです。めまいがあれば放置せずに怖い病気が潜んでいないかどうかを鑑別することが大切です。
睡眠障害
睡眠障害の代表的な疾患は睡眠時無呼吸症候群(SAS)で、本疾患群は睡眠中に呼吸が止まり、それにより日常生活にいろいろな障害をきたすものです。
睡眠時無呼吸症候群の程度は一晩の睡眠中の1時間あたりの無呼吸および呼吸の頻度を示す無呼吸低呼吸指数(AHI)をもとに診断します。無呼吸低呼吸指数が5以上で日中の強い眠気などの自覚症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。AHIが5~15の場合は軽症、16~29が中度症、30以上が重症というように分類されます。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんは高血圧が健常人の約1.4倍、夜間の心臓突然死は2.6倍、脳卒中は3.3倍の高さで認められていると報告されています。また、睡眠障害はてんかん患者の発作の誘因でもあり、この睡眠時無呼吸症候群について診断および治療を当院で行います。