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院長ブログ

抗てんかん薬の副作用 ~薬物性精神障害

2021年7月9日

抗てんかん薬の副作用として、最も医師を悩ませるものとして精神障害があります。

抗てんかん薬にはうつ病性障害などの気分障害や統合失調症のような幻覚妄想状態を誘発する作用があります。いったん精神症状が出現すると薬の量や種類を変更しても、すぐに治まらないことも多いとされています。川崎医科大学精神科の山田了士教授(現 岡山大学大学院精神神経病態学教室教授)の論文によるとよく我々が日常診療に使用している抗てんかん薬11種類中、7種類で抑うつ状態や幻覚妄想、認知障害、気分障害、攻撃性などの症状が発現する可能性があり、服薬量が多いほど副作用が出やすくなるので抗てんかん薬は徐々に増量することが望ましいと記載されています。

私の経験では、ある種の薬で易怒性が強くなる副作用のため家族と疎遠になった方や気分障害が強く、外来診療での対応が非常に困難な方がおられます。発作抑制が困難な難治例で多種類の抗てんかん薬の服薬が必要な患者さんの場合、精神症状が薬の副作用なのかどうか、また副作用であったとしても、どの薬が原因なのかの判断が困難です。新薬の開発で抗てんかん薬の種類が増えていますので、何らかの精神症状が出現したり、増悪する場合には薬の早期変更が大切だと考えています。