ワクチン接種と血管迷走神経反射
2021年8月20日
新型コロナウイルスに対するワクチン接種が行われています。私も感染拡大防止に少しでもお役に立てたらと思い、港区医師会から派遣されてクリニックの休診日である日曜日や祝日に午前9時から午後7時まで集団接種会場での業務にあたっています。仕事内容は接種者の問診と接種後の経過観察および急変したときの対応です。7月はすでに2回、8月も3回中1回の当番が終わりました。7月の会場では一日400人ほどの被接種者数でしたが、8月の会場は900人を超えていました。会場の規模により、派遣医師および看護師の人数が決まっています。
その中で感じたのは非常に緊張している人は接種後に血管迷走神経反射による失神をきたす可能性があることです。血管迷走神経反射とは痛みや緊張などの精神的ストレスなどで血圧の低下や心拍数の減少などをおこすことです。脳への血流が一時的に減少することで意識を失うことを失神といいます。血管迷走神経反射は横になって休むことなどでよくなり、大きな問題になることはありません。私はできるだけ問診中に被接種者の緊張をほぐしてリラックスできるように笑いを取る努力をしましたが、大半の方は緊張されていました。筋肉注射の痛みに恐怖感を持っている方もいらっしゃいますし、接種後の副反応を恐れている方もたくさんおられますので「緊張するな。」というほうが難しいかもしれません。
今週と来週の日曜日も当番です。何とかワクチン接種を安心して受けられるよう、働きかけてきます。