頭痛で受診した帯状疱疹(三叉神経第一枝)
2021年10月15日
この1か月間で3名の帯状疱疹(三叉神経第一枝)を診察したのでお伝えします。
3名とも女性で年齢は20代、30代、60代でした。いずれの方も左三叉神経第一枝領域の帯状疱疹でしたが、主訴は左前頭部から頭頂部へかけての頭皮の強い痛みで、中には髪を引き抜かれそうな痛みと表現された方もいました。30代の方はすでに左前額部に赤色発疹を認めていたのですぐに帯状疱疹と診断できましたが、20代の方は当クリニックへの受診当日は頭皮の痛みのみで前額部、頭皮には発疹は認めなかったので、様子を見ることにしましたが、翌日、お電話で「朝起きたら、左顔面にニキビのような発疹ができていました。」と連絡があったので、すぐに来院してもらって診察したところ、昨日には認めなかった水泡性赤色発疹を左瞼から前額部、そして頭皮にも認められ、やはり帯状疱疹と診断しました。60代の方は頭皮のみの赤色発疹で左耳後部にも痛みを訴えておられました。
いずれの方も帯状疱疹と診断した日から帯状疱疹に適応のあるアメナメビル(商品名はアメナリーフ)を投与したので軽快しています。この薬は抗ヘルペスウイルス剤で水痘・帯状疱疹に効果のある薬です。この薬の投与は発病初期に近いほど効果があり、皮疹出現後5日以内に投与することが望ましいとされています。この三叉神経第一枝領域は帯状疱疹の好発部位の一つですが、皮疹が出現する数日前より痛みが認められることが多いので発疹がなくても細心の注意が必要です。