てんかん治療の森野クリニック・東京新橋てんかん治療の森野クリニック・東京新橋

脳神経外科 内科 外科|森野クリニック

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院長ブログ

てんかん指導の意義

2021年12月10日

てんかんの診療に「てんかん指導料」という診療報酬があり、てんかん患者さんの初診から1か月間が経過して再診されたときから、保険請求できます。点数は250点で2500円の報酬です。つまり患者さんと診察室で向き合っただけでその金額の報酬が得られるわけで、それに相当する「てんかんに関する指導」を患者さんに行う義務が医師にはあるわけです。しかしながら、最近、当クリニックへ転院希望で来られる患者さんは前に通院していた病院あるいはクリニックでは薬を処方されるだけで、検査も指導もほとんどされていないと不満を持っている方が大多数を占めます。確かに私はこういった方々に脳波検査および血液検査をいつでも行えるように準備し、規則正しい服薬および生活指導を中心にてんかんの病態、発作の起こりやすい状況などを時には厳しく説いています。

若いてんかん患者さんで発作がなければ、怠薬したり、休日の前などは夜更かしをしたりするのも理解できます。2~3か月に1回の診察だと、しっかりとした管理が困難なことも多々あります。服薬しないと駄目なことはわかっているが、何時起こるのかわからない発作のために毎日、決められた時間に服薬するのは大変なことです。でもそれを守らず、大発作をきたしてケガをしたり、せっかく運転免許許可が出たのに、2年間、免許停止ということになる人を多く見ています。ただ「てんかん指導」を真面目に受け止めて「てんかん」と向き合っている人もあれば、薬だけもらえればいいという人もいることは事実で、医師だけを責めることはできないと思います。私はいくら説明してもその「てんかん指導」を謙虚に受け止めない人には厳しく叱咤しています。それで人間関係が悪くなり、当クリニックを去った人もいます。でもなんでもハイハイと良い治療とは言えないような患者さんの希望を受け入れることは患者さんに寄り添った治療にはならないと信じています。これからも時には優しく、時には厳しい「てんかん指導」を続けていきます。