コロナ禍の自粛生活による若者の生活習慣病
2021年12月3日
てんかん診療においては、抗てんかん薬の長期服用による肝腎機能障害、末梢血減少などの副作用を早期発見するために定期的に血液検査を行っています。このコロナ禍でてんかん患者さんの特に20代の若者に高尿酸血症、高脂血症、脂肪肝を示唆する異常所見を認める人が増えました。中には高尿酸血症で痛風をきたし、足関節に痛みと発赤腫脹を認めた人もありました。対象の患者さんたちは飲酒が発作の誘因になることを知っているのでお酒はたしなみませんが、食生活を聞いてみるといわゆる「コンビニ弁当」あるいは野菜物を摂らずに炭水化物や脂っこい物、あとはスナック類などをいつもよりは多く摂取していたようです。またコロナ禍では仕事がリモートとなることが多く、自宅内での自粛生活なのでどうしても運動不足になっていたようです。コロナ禍による緊急事態宣言下の弊害として運動不足と偏った食事により、若者にも生活習慣病がもたらされたと言えるでしょう。
緊急事態宣言は解除されましたが、新たな変異株である「オミクロン株」が全世界で感染拡大しつつありますので気を緩めず、感染対策を講じながら、生活習慣病にかからないように注意しましょう。