てんかん治療の森野クリニック・東京新橋てんかん治療の森野クリニック・東京新橋

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院長ブログ

てんかんの診断について

2022年3月25日

最近、てんかんの初診で受診する方やメールでの問い合わせをされる方の中に「てんかんと言われたけど、てんかんの種類について詳しいことは診断されていない。」という患者さんの相談が増えています。

てんかんの初期診断として欠かせないのは脳波検査、MRI検査と患者さんからの詳しい病歴聴取です。特にてんかんの場合は発作内容が重要で、これについては患者さんの発作を実際に目撃している家族の方からのお話が非常に有用です。もちろん、患者さんや患者家族が教科書通りの発作内容を話してくれるとは限らないので診察する医師が発作内容に詳しいことが前提です。

たとえば若年ミオクロニーてんかんの場合、手や身体のピクツキがミオクロニー発作の症状ですが、こちらから「手足や体がピクっとしたことがありませんか?」などと聞かなければ、ミオクロニー発作は意識喪失や全身けいれんなどと違って重症感がないので患者さんは問題にしていないことがあります。
また側頭葉てんかんは上腹部消化管の不快感や既視感などを前兆として、その後に意識減損をきたします。海馬という記憶中枢がてんかん発作の焦点となっているため、患者さんは発作中の記憶がなく、発作中の出来事はほとんど覚えていません。このため、発作内容については患者さんの発作を目撃している家族や友人などからの情報が必要となります。

いずれにしても適切な抗てんかん薬の選択を行うためには適切な診断が必要です。また患者さんもどういうてんかんなのか?知らされない状況で毎日、処方された薬を服用するのは困難だと思いますので、てんかんの診断についてはできるだけ詳しい説明を心がけています。