てんかん患者さんの発作時の緊急連絡先について
2022年5月27日
先日、当クリニックへ通院されている患者さんが受診日に体調が悪く、クリニック内のトイレで発作を起こされました。他の患者さんがすぐに異変に気が付いて、「トイレで倒れているのでは?」と知らせてくれたので、すぐにトイレをあけて発作を起こしている患者さんをベッドに運び、点滴を行って抗てんかん薬の静脈内投与を行いました。すぐに意識は戻りましたが、発作後の混迷があり、患者さんのスマートフォンのパスワードが思い出せなくなっていました。このため、家族に連絡できず、約1時間、様子を見ていると、徐々に記憶が戻ってきて、パスワードを思い出されたので家人にようやく連絡できました。あらかじめ、家族の連絡先を聞いておくべきでしたが、カルテには本人の連絡先のみ記していました。このようなことは病院以外のお出かけ先で起こる可能性がありますので、てんかん患者さんにはスマートフォンの機能を活用していただきたいと思います。
スマートフォンには緊急用に氏名や緊急連絡先、服用している薬などを登録しておく機能があります。これに登録しておいた情報は万が一の時にロックを解除せずに見ることができます。
iPhoneではメディカルIDと言います。メディカルIDはヘルスケアアプリから登録することができます。Androidの場合は設定→ユーザーとアカウント→緊急情報→医療に関する情報・緊急連絡先を登録します。
実際に見る場合はiPhoneではロック解除のパスコードを入力画面で緊急→*メディカルID、Androidでは緊急通報→緊急時情報で表示されます。