抗てんかん薬の服用時間について
2022年6月27日
患者さんを診察していると抗てんかん薬を服用する時間帯が年齢や職種などにより、様々であることがわかります。
大学受験を控えている10代の男性はこの1年間はラストスパートをかけないといけないので高校から帰宅するとすぐに塾に出かけます。そのため、夕食を取るのが塾から帰宅する23時ごろになり、夜の抗てんかん薬の服薬時間が23時以降になっていました。塾通いを始めるまでは発作は抑制されていましたが、塾通いによる生活の変化や試験に対するストレスなどで発作頻度が増え、ご両親からどうしたらよいか?相談を受けました。確かに大学受験準備の勉強のストレスは強いのですが、一番の問題点は夕食後の服薬時間が遅くなり、薬物血中濃度が一定に保てなくなっていることだと考えました。塾へ行く前に軽食を取って、夕食後の薬を服薬するように指導しました。このように患者さんひとりひとりの生活リズムにあった適切な服薬指導が発作抑制には重要です。