てんかんの診断にMRIなどの画像診断が必要な理由
2020年11月16日
てんかんで他院から紹介されて受診される患者さんのなかにMRIを受けたことはないという患者さんがたまにみられます。問診するとその患者さんのてんかんの種類が大体、わかるのですが、基本的にはてんかんは脳の病気ですから、MRIによる適切な診断を仰ぐことが大切です。
たとえば、抗てんかん薬がききにくい「側頭葉てんかん」はその原因として幼少時に低酸素症に陥った既往歴(新生児仮死、熱性けいれん)を持つことが主ですが、脳の器質性病変(脳腫瘍、皮質形成異常など)が原因となることも稀ではありません。
低酸素症に陥った既往歴のある人で難治性側頭葉てんかんをきたしている患者さんの中には海馬の大きさに左右差が見られること(患側の海馬が小さくなる現象:海馬萎縮)があります。
MRIの画像診断で本来は記憶の中枢である海馬が、てんかんの焦点となっていることがわかります。