てんかん患者さんには診察券などの常時携帯をお勧めします
2020年11月17日
てんかん発作は意識を失って倒れる、けいれんを起こすというような発作だけではありません。
特に側頭葉てんかんの複雑部分発作では歩行自動症をきたす発作というのもあります。これは電車に乗って県をまたいで移動するような行動が可能だけれども、その間の記憶がないといったことです。
以前、このような発作を起こして、警察に保護された患者様がありました。発作による一過性の記憶障害で氏名、住所も言えない状態で身分証も持っていなかったので警察は大変、苦労されたみたいですが、本人がかかりつけである私の名前だけを言えたので、こちらに連絡があり、携帯のテレビ電話機能でお顔を確認できたので、事なきを得ました。今後は身分証やかかりつけ医がわかるような物を常に携帯しておくよう指導しました。
てんかんで治療されている方にはこのようなエピソードが起こる可能性があり、大発作の場合は救急搬送されることもありますので、日ごろから、診察券やお薬手帳を持参しておかれることをお勧めします。