てんかん治療の森野クリニック・東京新橋

脳神経外科 内科 外科|森野クリニック

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院長ブログ

抗てんかん薬の服用と妊娠

2020年12月5日

てんかん患者さんが妊娠初期に抗てんかん薬を服用していた場合、生まれてくる子どもの平均奇形発現率は一般の人に比べて2〜3倍高いと報告されています(てんかん治療ガイドラインより)。特に抗てんかん薬を多剤併用あるいは大量に服用する必要がある難治性てんかん患者の場合は奇形率が高くなります。頻度の高い奇形の種類は口唇裂、口蓋裂、心奇形です。バルプロ酸ナトリウム(VPA)とカルバマゼピン(CBZ)は特に二分脊椎の発生と関連が強いとされています。数年前に私が参加したアメリカてんかん学会ではVPAは投与量、血中濃度に比例して奇形発現率が増加するため、一日1000mg以下の投与量が望ましいと報告されていました。2種類以上の多剤併用が必要な場合は催奇形性が高まります。

妊娠を希望される患者さんには種類を最小にできるように抗てんかん薬の調整を行い、投薬による副作用と妊娠中の発作が妊娠あるいは子どもに与える影響のバランスを考慮した治療を行っています。難治性てんかん患者さんは抗てんかん薬を大量あるいは多剤服用していることが多いので、特に繊細な調整が必要です。またフォリアミン(葉酸)を妊娠前から投与することにより、奇形率の発現を抑制できるように配慮しています。