てんかんと睡眠時無呼吸症候群
2020年12月18日
健康な成人でも5人に1人の割合で睡眠障害でお悩みの方がおられます。てんかん患者さんにおいてはその2~3倍の頻度と報告されています。
睡眠障害を合併しているてんかん患者さんは、そのてんかん発作により睡眠障害をもたらし、またその睡眠障害によりてんかん発作がさらに増悪するという負のスパイラルに陥る可能性があります。私は以前より、抗てんかん薬の適切な調節を行っても発作が抑制できずに慢性化している患者さんの中に睡眠時無呼吸症候群を合併している方が存在すると考えていました。
実際、症状が該当するてんかん患者さんに睡眠時無呼吸症候群の検査を施行したところ、AHI(睡眠時に1時間当たりに発生する無呼吸・低呼吸の回数)が30を超える重症でした。すぐにCPAP治療(睡眠時無呼吸症候群に対する持続的陽圧呼吸治療)を開始したところ、AHIは3に低下、正常化して今まで不安定であったてんかん発作が抑制されています。