てんかん治療の森野クリニック・東京新橋

脳神経外科 内科 外科|森野クリニック

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院長ブログ

「貧血を起こして倒れた。」という訴えについて Part2

2021年1月15日

今回は身体が原因で起こる失神についてです。

若い人でよく「飲み会で貧血を起こして倒れました!」と来院する人がありますが、多くは立っているときに起こり、目の前が突然、真っ暗になってめまいや吐き気を伴って、倒れます。この病態は血管迷走神経反射と呼ばれ、過度の緊張状態、精神的ストレスが誘因となって自律神経である迷走神経のバランスが崩れて血圧低下を引き起こします。それにより脳を環流する血流が低下して意識喪失をきたすものです。通常は顔面蒼白となり、徐脈(脈拍が遅くなること)や冷汗を認めます。

この迷走神経反射には色々な原因があります。たとえば頚動脈の圧力のセンサーである頚動脈洞が刺激されると迷走神経反射が起こって失神します。これは柔道などの格闘技の技でよくみられます。

お酒を飲んだ後、排尿して急に膀胱の圧力が低下することによる排尿後失神も内臓迷走神経反射の一つです。

また法事などで長く、座っていた後に急に起立したときに失神する起立性低血圧も迷走神経反射に含まれます。

さらに身体が原因となる失神で要注意なのは心臓が原因で起こるもので、代表的なものが不整脈です。これにより心臓からの血液の流れが悪くなり、脳の血流が低下して、意識喪失をきたします。

「貧血を起こした。」と訴えてくる患者さんに対して、短い間にこれだけの疾患を鑑別しなければなりませんが、中には命に関わる疾患もありますので、繰り返しますが、安易に考えないで専門医を受診しましょう。