てんかん治療の森野クリニック・東京新橋

脳神経外科 内科 外科|森野クリニック

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院長ブログ

てんかんにおける突然死

2021年2月26日

てんかん患者さんの中には発作による自動車や自転車運転中の交通事故、溺死(浴槽に入浴中)、料理中の重度熱傷(火が衣服や髪に燃え移る。)、階段や駅のホームからの転落などにより、命の危機にさらされることがあります。それ以外に原因不明の突然死をきたすことが知られており、注意が必要です。英語ではこれをsudden unexpected death in epilepsyと言い、その単語の頭文字をとってSUDEPと呼ばれています。その定義は「良好な状況にあるてんかん患者さんに起きる、突然の、予期せぬ、外傷や溺水が死因ではない死」とされ、発作が1時間内に何度も起こる状態であるてんかん重積による死亡は除くとされています。SUDEPが起こる可能性が高くなる要素として
①発作の頻度が月1回以上と高い
②全般性強直間代発作がある
③多種多剤の抗てんかん薬を服用している
④薬剤を頻回に変更したことがある
⑤薬をよく飲み忘れることがあったり、急に薬を飲まなくなったりする
⑥一人暮らしで夜間に監視されていない
⑦12歳以下に発症し、てんかんの病歴が長い
⑧若い男性(20~45歳)
⑨抗てんかん薬の血中濃度が治療域より低値である
などが報告されていますが、基本的には抗てんかん薬の服薬を行っても発作が抑制されずに慢性化している難治性てんかん患者さんにリスクが高いと言えるでしょう。

私はてんかん外科治療を主に行っていましたので、多数の難治性てんかん患者さんを診察しています。この23年間で1200を超える手術数を経験していますが、中にSUDEPと思われる突然死を4例経験しています。SUDEPを予防するためには全般性強直間代発作を抑制することが大切です。私たち、てんかん治療に従事する医師が行うべきことは患者さんに対して、てんかんの病態について十分な理解が得られるような説明と規則正しい抗てんかん薬の服薬を含む生活指導を行うことだと思っております。